リリースとスプリントレビューに対する誤解
優先順位の高い「A」というプロダクトバックログをスプリント前半で消化できた場合、この「A」はスプリントレビューを待たずにリリースしても良いのか
社内でも良く質問を受けるし、スクラムに関する誤解の一部でもあると思うので
自分の考えを書く。
「リリースできる状態になったけど、あと1週間待って下さい。スプリント中なので」
などという事は普通に考えてナシである。常識の範囲内でナシである。
1日、もしくは数時間の遅れが命取りになるかもしれないこのご時世で
そんな悠長な事は言っていられないはず。
なので自分の答えとしては「好きな時にリリースして下さい」なのだけど
そうすると次にくる質問は大概、
「じゃあ、スプリントレビューはやらなくてもいいんですか?」
という、スプリントレビューに関する質問。
よく書籍などには「スプリントレビューはプロダクトオーナーがリリースジャッジを行う」というような事も書かれているが
多分これは数年前の話であって、今もそこを信じ込む必要は無い。
では何なのか。
スプリントレビューは、フィードバックをもらうための場だ。
ウォーターフォールでは「仕様変更」として扱われがちだった改修提案を、フィードバックという前向きな提案として扱う。
このフィードバックにも優先順位を付けて管理することで、よりよい製品に仕上がりやすい作用を生んでいる。
優先順位の高いものから組み立てていくため、そこに対するフィードバックも自ずと優先順位が高いことがほとんどだからだ。
というわけで、リリースはいつでも出来るべきだし、リリースした/していないに関わらず、フィードバックによって変更される(できる)可能性があるのであれば、スプリントレビューは行うべきである。